オーストラリアの各リーグと日本人選手
オーストラリアの各リーグと日本人選手
オーストラリアのサッカーリーグの序列(男子)
- A-League / Aリーグ…日本のJリーグに当たるプロリーグ
- NPL (National Premier League) / ナショナルプレミアリーグ…J2・J3・JFLに当たるセミプロリーグ
- State League / ステートリーグ(州リーグ)…日本の都道府県リーグに当たるリーグ
- Metropolitan League / メトロポリタンリーグ…メルボルン近郊のNPL/State Leagueの下部チーム、同好会や学生チーム等
- Regional League / リージョナルリーグ(郊外リーグ)…メルボルンから遠いビクトリア州のリーグ
※日本のリーグ構成に合わせての序列の区分けです。
各リーグの実力については、このページの下部をお読みください。
A-League
日本のJリーグに当たるプロリーグ。
日本のプロリーグと同様、オーストラリアの各地にあるチームとリーグ戦を行います。
Jリーグのように、下位チームが下部リーグ(NPL)に降格することはありません。
日本からレンタルなどで移籍する選手はいますが、下部チームから昇格した日本人選手がいないように、現地でこのリーグに上がるのは難しいと言えます。
NPL (National Premier League)
NPL (NPL1部)
プロであるAリーグのすぐ下のリーグですが、NPLは各州にあり、ここメルボルンの場合は、NPL Victoriaになります。
優勝してもAリーグへの昇格はなく、NPL2への降格はあります。
州内のチームでのみで試合が行われていて、他州との試合はありません。
外国人枠が2枠しかないため、日本人にとってはこのリーグに入るは至難の業。
各チームとも、攻撃・得点力アップに繋がる選手に外国人枠を使うケースが多く、ヨーロッパ等海外から来る選手との外国人選手枠争いになります。
日本人は体格面などで不利になってしまうことが多く、ここビクトリア州では、NPL(1部)での契約をもらうことはかなり難しくなっています。
NPL 2 / NPL 3 (NPL2部 / NPL3部)
NPL(1部)と同様、同じ州内のチームとの試合が行われます。
上位チームは、NPL内での昇格があり、NPL3部の場合は、下位リーグState League(ステートリーグ)に降格します。
NPL(1部)との大きな違いは、外国人枠が4枠に広がるため、日本人選手にとってはチャンスが大きく広がります。
NPL(1部)ではほとんど日本人選手を見かけないのに比べると、NPL2 / NPL3では、1チームに日本人が2人・3人といることもあります。
プレーした選手の感想、また観戦する側から見ても、NPL(1部)とNPL2 / NPL3にはプレーレベルに違いがあるように思います。
感覚的なところですが、NPL(1部)またはNPL2 / NPL3に位置するプロチームのサブチーム(AリーグのMelbourne City、Melbourne Victory、Western UnitedはNPLにもチームがあります)は、体が仕上がっている選手が多く、NPL2 / NPL3の選手と比べると、プロ選手と学生が対戦しているように見えます。
State League
ステート(州)リーグには1~5部まであり、1~3部までは、メルボルンを【北・西】【南・東】の2つにエリア。
3~5部は、東・西・南・北の4つのエリアに区切り、同じ部同士のチーム、またそのエリア内のチームで試合が行われます。
ステートリーグ内での昇格・降格があり、ステートリーグ1部からはNPL3に昇格できます。
クラブの施設などはまちまちで、各エリアのローカルチームといった印象が強くなります。
ただしステートリーグでも1部など上位のリーグであれば、プレーの質という面ではNPLとそれほど変わらない印象です。
実際にJリーグ経験者でも、このステートリーグ上位でプレーしている選手、ここからNPLに上がれない選手もいます。
クラブによってはNPL並み・それ以上に給料を出すチームもあり、給料も重視したい人から見れば、決して侮れないリーグです。
「外国人枠という制限が無い」というのが、日本人にとっては大きなメリット。
さらに「移籍期間も無い」ため、外国人枠・移籍期間に縛られずに契約をもらえるという点では、実力があれば一番飛び込みやすいリーグと言えます。
Metropolitan League・Regional League
Metropolitan League / メトロポリタンリーグは、メルボルン近郊のサッカークラブの下部チーム、同好会や大学チームなど。
競技レベルもステートリーグと比べると格段に落ちますし、試合もセミプロとは程遠く、カードが乱れ飛び、試合が荒れがちになることも。
Regional League / 郊外リーグは、ビクトリア州でもメルボルンから遠い遠隔地域でのリーグ。
どちらも上のリーグへの昇格、下のリーグへの降格がありません。
NPLからここまでが、ビクトリア州サッカー協会が管理するリーグとなります。
趣味でプレーする選択肢
趣味でプレーするだけであれば、メルボルン近郊のキリスト教の教会が行うリーグ、中国人リーグなども規模が大きく、選抜チームで他州との試合を行うところもあります。
各リーグのレベル
オーストラリアと日本を比較すると、競技人口や育成年代の過ごし方や教え方などでも、とても大きな違いがあります。
AリーグとJリーグ、国際マッチなどのプロレベルで見ても、日本のリーグが明らかに強いように、レベルとしては、オーストラリアのリーグのほうが日本より下であると言わざるを得ません。
実際にプレーした選手の感想などを聞くと、NPL1部で実力的には、J3相当もしくはJFL。
State Leagueの上位で、各都道府県リーグの1部くらいに相当します。
レベルの違いを見る・知る
今期はNPL1部を主に、Youtubeで試合のライブ配信が行われていますので、そちらで視聴可能です。
録画された試合は、チャンネルの「再生リスト」の中に入っています。
日本から視聴できない場合は、VPNサービスという特殊なサービスを利用して、視聴している場所を「オーストラリア」にすることで、視聴できる場合があります。
動画を見るとなるとVPNを有料で使うことが有効ですが、レベルを見る・チームの特色を知る上では重要な投資かと思います。
希望するチームの配信が無い場合は、facebookのチームのページで配信されていることがあります。
Youtubeで公開されている試合の一部
NPL1部 Grand Final │ South Melbourne vs Oakleigh Cannons戦
NPL1部 シーズン │ Dandenong City SC vs Melbourne Knights FC戦
NPL1部 シーズン │ South Melbourne FC vs Heidelberg United FC戦
NPL2部 シーズン │ Kingston City FC vs Werribee FC戦
どのくらいの観客がいるの?
オーストラリア・メルボルンのサッカーの観客は、日本と比べると非常に少ないのが現状です。
Aリーグの人気の試合ですら、ゴールの後ろには観客がいるものの、ピッチの左右の席や後ろの席は、「がら空き」ということが良くあります。
NPLまたステートリーグも同様で、1試合当たりでいえば数百人程度。
クラブ関係者やそのクラブで練習している子供や家族などを除けば、純粋な観客としての人数は非常に少ないといえるでしょう。
クラブによって観客数にはかなり開きがあり、NPL3(NPL3部)のクラブなのに、上位カテゴリーのNPL(NPL1部)のクラブより多いこともあります。
ただ全般的に言えることは、多いところでも数百人程度の規模で、入場料10ドルを徴収していますが、入場料だけでは、選手やスタッフの給料すら出ないほどの人数であることは確かです。
女子リーグの序列
- A-League Women / Aリーグ女子…日本のJリーグに当たるプロリーグ
- NPLW (National Premier League Women’s) / ナショナルプレミアリーグ女子…J2当たるセミプロリーグ
- VPLW (Victoria Premier League Women’s) / ビクトリア州プレミアリーグ女子…J3当たるセミプロリーグ
- State League…1~5部までですが、女子リーグ整備中で大きく変わる可能性もあります
女子リーグの現状
オーストラリアは、女子リーグも2008年にプロ化されていますが、Wリーグ(女子リーグ)という呼称からAリーグ女子という形に変わったのが2021年のこと。
オーストラリアとニュージーランドの共催となった2023年の女子ワールドカップ後に、人気を集めるようになっています。
現在、リーグの制度なども見直されていて、オーストラリアの女子にとっては、比較的新しいスポーツ、日本人選手にとっては大きなチャンスがあるということになります。
男子を運営しているクラブが運営母体というところがほとんどで、男子と比べると給料自体もかなり低いということは問題視されています。