必ず作ろうプレー動画
必ず作ろうプレー動画
プレー動画は自分の「履歴書」
自分の所属するチームを探す際に、必ず用意してもらたいのが「プレー動画」。
今は選手を確認するのに、「プレー動画」が選手の経歴書・履歴書以上に重要な扱いになっています。
スマートフォン1つで手軽に動画を編集できるようになり、知り合いに聞いて回れば、確実にあなたの知り合いにも、動画を編集できる人がいるはずです。
このページを読んで、要所を押さえたプレー動画を用意してください。
なぜプレー動画が重要なのか?(監督・エージェント側の立場から)
監督やエージェントの元には、チームを探している選手の情報や申し込みが何件も、多いところでは、確認するのが大変なほど数多く送られてきます。
オーストラリアの選手であれば、名前と実績が確認できるため、知られている選手・これまでに所属していたチームなどから、実力を測ることができます。
ただそれでも、膨大な選手がいる中で、末端の選手となると、覚えてもらえているかというと、それはなかなか難しくなります。
また日本以外の海外の選手もチームを探しているため、そういった申し込みも考えると、その選手数はかなりの数になります。
ではこんなにたくさんの申し込みがある状況の中、あなたのメールや履歴書は目を通してもらうことができるのでしょうか?
運よく目を通してもらえたとして、次にその内訳や実績を見てもらうことができますか?
例えばJリーグやWEリーグなどの上位リーグでプレーをしていたのならまだしも、社会人・大学ともなると、例えリーグ優勝などの実績があったとしても、オーストラリアの方には、それがどのレベルなのかがわかりません。
そしてそのチームの中で、主力・スタメンであったのか、どういったプレーをしていたのか等を、いくつもある申し込みの中から、あなたのために調べてもらうこととなると、確率がどれだけ低くなるかわかって頂けますか?
履歴書を読み実績を調べる、こんな手間をかけてもらえるのは、ある程度の実績がある選手だけです。
動画の確認は手軽で短時間
監督やエージェントも、やり取りは携帯アプリ「Whatsapp」(日本のLineのようなメッセージアプリ)が主流で、Facebookやインスタグラムを通してのやり取りも行われています。
「こんな選手を探している」という情報が入って、どうやって手持ちの選手を紹介するのかというと、そういったメッセージアプリを通じて、「プレー動画」のリンクを渡して見てもらう、こういった形が主流になっています。
どういったプレーをするのか、どういった選択をするのか、そういったプレーの質や情報が、動画であれば時間をかけずに、すぐに確認することができるからです。
わざわざPDFファイルを開いたり、メールに目を通したりする必要がないため、必要な選手の情報が入ると、こういった形で非常に素早く決まっていきます。
「プレー動画」は選手として用意しておく最重要項目
ここで紹介したように、選手を探している側が最も利用しているのが「プレー動画」。
これを作らない手はありません。
オーストラリアに来る・チームを探すうえで、必ず「プレー動画」は用意しておいてください。
これが無い限りは、自分の力でチームを探すにしても、エージェントや知り合いを通して探すにしても、なかなか話もまとまりませんし、声もかけてもらえません。
プレー動画で良い選手だとわかってもらえれば、経歴書などの書類は契約前の確認の際に欲しいと言われるくらい、中にはそれすら要らないくらいで、それほど動画が重要視されています。
動画を作るに当たっての大切な心構え
あなたという選手は、スーパーや百貨店等に並ぶ、たくさんの商品の中の1つです。
この商品を、貴方自身は「いくらで売りたい」ですか?
市場のように叩き売りで売りますか?
それともデパートの高級商品の1つとして売りますか?
他の商品と比べてもらえる状態ですか?
あなたの商品は他の商品より魅力的ですか?
プレー動画は、貴方を売るため・どれだけの価値があるか見てもらうための、言ってみればCM・広告のようなもの。
プレー動画が無いということは、商品があることすら知ってもらえず、動画の内容が正しくなければ、正しい値段付けもされません。
あるチームは、あなたに「ここでプレーさせてあげますが給料は出せません」というオファー。
あるチームはシーズン50万円、あるチームは200万円という値段を付けるかもしれません。
良いオファーがもらえるように、内容のある動画を作ってください。
どういった形で用意するのか?
一番確実なのはYoutubeで、動画のリンクを連絡して、その動画をすぐ開いてもらえる点。
動画を「ファイル」という形で保存して送るなど、これは受け取る側・見る側に時間も手間もかかります。
また「見る人は1人ではないかもしれない」ということも、頭に入れておいてください。
監督・クラブ・エージェントに送られてくるプレー動画は、色々な選手・何件も送られてくるわけですので、そのまま直接責任者・監督に見てもらえるわけではありません。
事前にそれを選別するスタッフがいたり、監督だけでなく編成・テクニカルディレクターなど、何人かで動画を見て決めるのも当たり前ですので、複数人でも確認しやすいYoutubeの一択です。
一般の人に広く見てもらう動画ではないので、視聴回数がほとんどなくても問題はありません。
動画はできるだけ1本で完結・長すぎないもので
日本人の選手に多いのが、まったく編集もせずに、別々の動画で送ってくること。
自分が出場していた試合のハイライト動画(誰かわからない)、1試合90分(そんな長時間見れません)、こういった動画を確認してくれる担当者なんていません。
こちらも動画を見せて頂く機会がありますが、こういった動画をもらうと、見る気も起りませんし、プレー動画すら用意できないのかと、やる気の無さにがっかりします。
動画の長さもだいたい10分以内に収めて、できれば7~8分くらいが見やすいところです。
見てもらいたいプレーを最優先で
責任者や動画を見る人が、最後まで動画を見てくれるかどうかは、最初のインパクトが大切。
最初のシーンにインパクトが無い、ダラダラと意味の無いシーンやプレーが続くと、続きを見ようとは思わなくなります。
見せたい・良いプレーを最初に入れるようにしてください。
動画の選手本人がわかるように印を入れる
プレー動画には、どれが本人かわかるように、必ず本人に印を入れてください。
見た目にはっきりわかる場合でも、入れておいてもらった方が間違いがありません。
プレー動画を見る側は、パソコンのモニターで見る場合もあれば、スマートフォンの小さな端末で見ることもあります。
特に日本国内の試合の場合は、西洋系の方からみると、アジア系の選手はどれも同じ選手に見えるようで、「どれが見て欲しい選手」なのかがわかりにくいということです。
小さな画面で見る可能性もあることを考えると、まったく区別がつかないかもしれません。
たくさんの選手が交錯するシーンなどの場合は、特にどの選手かわかるように、わかりやすいマークを入れておくことをお勧めします。
できるだけいくつかの試合から違うシーンを
1つの試合だけで動画で編集しようとせず、できるだけ数試合分の動画を集めて、プレー集を作ってください。
攻撃型の選手は、ゴールやシュートシーンだけを入れがちですが、ボールをもらう時にどういったタッチをするのか、どういった選択・展開をするのか、足元の技術や視野などがわかる動画も入れてください。
いくつかのバリエーションを見ると、その選手のスタイルや技術がかなり明確に見えてきます。
できるだけ最近の試合動画を使う
何年も前の学生時代の動画は、見る人を困惑させるだけです。
できるだけ新しい動画(今季もしくは昨季)で編集するようにしてください。
再現できない・披露できないことは誇張しない
動画で良いシーンを入れるのは良いのですが、アピールをする際に、例えば現在と明らかに違うことは入れないほうが無難です。
例えば、非常に速く走れるなど、しばらくプレーをしていなくてフィジカルが落ちている・怪我の影響が残っている等で、トライアルの際にその通りのことが披露できない場合は、あまり強調しないほうが良いこともあります。
プレー動画で強調するということは、それに期待をしてトライアルの際に「見られる」ことになります。
事前に得ている情報・期待と現実との落差が大きすぎると、オファーをもらいにくくなることはあります。
特にシーズン中やシーズン開始前は、チームは「今」必要な選手を探していますので、選手を取ってからフィジカルが上がるのを待つということはありません。
画質や画面切り替えはあまり重要ではない
選手やプレー自体が確認できないような、粗い動画はさすがにダメです。
ただ映画やCMを作る・見るわけではありませんので、音楽が入っている必要はありませんし、動画の切り替え自体がスムーズでなくても、フェードアウトなどの効果を入れる必要もありません。
動画のプロである必要はなく、貴方の選手としての「質」を見せることが大切です。
動画のページの説明文などは英語で
Youtubeのページに、説明などを記載できる箇所がありますが、記載は必ず英語で。
載せたい項目を箇条書きにすれば、英単語を並べる程度で英文にする必要はなくなります。
例えば
Name: XXXX (自分の名前を英語で)
Nationality: Japan
Current Club: XXXX (クラブの名前を英語で)
Preferred foot: Right / Left
Preferred Position: FW, MF
身長や年齢などは書かない方が良いかも
プレー動画の最初に書いている選手もいますが、チームによっては、何歳以下の選手、何センチ以上の選手しか取らないというところもあります。
こちらの選手が全体的に大きいので、大きくて強い選手を好む傾向はあります。
日本人は細くて背が低いという印象がある反面、技術や戦術理解が良いという評価があるので、その点を動画で見てもらって興味を持ってもらいたいところです。
試合の動画が無い・足りない時は
オーストラリアに来ると決めたら、行動に移す前に、知り合いに頼み込んででも、試合の動画をいくつか撮ってもらってください。
使える動画が多くあること、これが少しの投資で大きな見返りが見込めることです。
試合動画が無い、試合動画が足りない状態でプレー動画を作る場合は、練習という形でも構わないので、技術などがわかる動画を組み込んでください。
参考にはなりにくくなりますが、まったく無い状態よりはるかにましです。
動画の作り方がわからない時は真似る!
メルボルンのセミプロリーグや、他の国のセミプロでプレーしている選手の名前がわかれば、Youtubeで選手の名前を検索してみてください。
現地の方に見てもらうため、名前が英語になっているかもしれませんので、選手名のローマ字でも探してみてください。
例えば選手名が山田花子なら、HANAKO YAMADAでも検索してみてください。
プレー動画が見つかったら、いくつか見比べて頂いて、良いなと思ったものを参考に、その動画を真似て作ってみてください。
動画を作る技術が無いとき
お金をかければいくらでも良い物はできますが、お金をあまりかけずに作る方法もあります。
先輩・後輩、知り合いに当たって見てください。
Youtubeにスマホ1本で動画を上げている人もいますので、できる人にとってはそんなに難しい作業ではありません。
真似たいプレー集の動画を見せて、この試合の動画の「何分何秒から何分何秒までを入れる」など明確に指示をする等、話しながら進めるとそれなりに良い物ができるはずです。
動画がうまくできない原因は、元になる試合動画の数が少ないとき。
知り合いにお金を払ったり、ごはんをおごったりという形でお願いをして、試合の動画を撮り貯めてください。
お金をかけるのであれば、プレー動画を作ってもらえるエージェントに、すべて丸投げするというのも1つの手です。