クラブに入った子供の親の役割
クラブに入った子供の親の役割
親の仕事
基本的には、練習や試合会場への子供の送り迎えが主な役目です。
専属コーチ、チームマネージャー・審判や副審などもクラブ側が行う場合、親のすることはほとんどありません。
それだけ熱心なクラブの場合は、大会参加・遠征などが大変かもしれません。
ただ一般のクラブは、試合日のピッチやゴールの準備、審判や副審・観客整理など、すべて親が交代で行うことになります。
試合日の仕事
ホームゲームの場合は、ゴール・ピッチの設営を手伝います。
コーナーポストを立てて、ゴールをピッチまで運んでいく程度です。
ピッチ上にラインが引かれているところもあれば、コーンを並べてラインにするところもありますので、そのクラブによって若干違います。
常に手伝っている親もいれば、まったく手伝わない親もいるので、これは仕方のないところかなと思います。
コーチやチームマネージャー任せにせず、できるだけ手伝ってあげてください。
試合日の当番制
日本では馴染みがないものですが、オレンジを切ったものとスネーク(蛇の形のグミのお菓子)を2パックほど、当番制で持っていきます。
試合の主にハーフタイムの休憩時に食べるもので、毎週当番が割り当てられるはずです。
子供はポンっとゴミをそのあたりに捨ててしまうので、ゴミ箱も持っていく方が後片付けがラクです。
用意するのは全部子供用ですが、オレンジは1つを8つに切り分ける形で、チームの人数×食べそうな個数分なので結構な数になります。
グミは2パックでは足りるはずもないのですが、だいたいこのくらいです。
他の人が当番の時に、どのくらい持ってきているか見ておいてください。
U11までは主審も当番制
U11まではオフサイド無しの副審無し、主審のみで試合を行います。
ホームゲームの主審は、選手の親が交代でやることになります。
審判のやり方を良く知っている方や、チームマネージャーなどがやってくれるケースもあるので、これはチーム次第です。
U12からは副審(線審)が当番制
U12以上になると、オフサイドルールの適用が始まり、勝敗によって順位付けも始まるため、主審はFootball Victoriaの資格を持った審判が来ることになります。
(慢性的な審判不足から、来ないときは親が代わりに努めることが多々あります)
オフサイドルールが適用されるようになり、毎試合、ホームゲーム・アウェイゲームに関わらず、副審(線審)が親の当番制になります。
ラインアウトを見るのは当然ですが、オフサイドも見なければなりません。
ルールを知っている人、まったく知らない人もいるので、副審の動きは、担当する親によってまったく違います。
ちゃんとオフサイドラインを取って走る人もいれば、まったく動かない人、どこに立っているんだろう?、間違った方向に旗を揚げている人もいます。
オフサイドを取るか取らないかは、副審が旗を揚げたとしても、主審の判断になりますので、そこまできっちりとやる必要はありませんが、主審の立場からすると、ルールを知っている場合はやってくれたほうが助かります。
副審をする場合は、ボールが出た時にただ旗を揚げるだけでも良いのですが、ルールを知っておいたほうが格好が良いのは間違いありません。
ラインアウト(ボールがラインから出た時)
もしボールがラインから出たけど、どっちに旗を揚げたら良いかわからない場合。
こんな時は、ただ単に旗を上にまっすぐ上げるだけで構いません。
あとは主審が手で合図をしてくれるので、主審が揚げた手と同じ方向に向けて旗を出してください。
主審からは、ラインからボールが出たかどうかが非常にわかりづらいので、「ボールが出た」と、旗を揚げて合図をしてくれるだけで助かります。
詳しいルールについては、調べてもらったほうがわかりやすいので割愛します。
オフサイドは
オフサイドは、基本的には自分のチームのオフサイドを取ります。
副審を担当する親は、相手のチーム陣地側に立って、味方チームの攻撃時のオフサイドを見ます。
ルールはちょっとややこしいので、軽く勉強しておいたほうが良いでしょう。
まったく旗を揚げないよりは、間違っても上げたほうが、相手チームの心象は良くなりますし、例え間違ったところで、オフサイドを取るか取らないかは主審の判断になるので、そのあたりは主審の責任、気軽に楽しんでください。
オフサイドはあまり厳しく取ると、自分のチームが損になるので、このあたりの基準は、敵味方とも結構曖昧で、ゲーム中に「オフサイドだろ!」なんてヤジがよく飛びます。
ただ明確なオフサイドを取らないと、相手チームもそうなってしまうので、際どいときは取らず、はっきりわかる時は取るといった感じがちょうど良いと思います。
怪我やアクシデントがあったら
主審が見えないところで、子供が頭を打ったかもしれない、大きな怪我をしたかもしれないという時は、子供の安全が一番なので、遠慮せずに思いっきり旗を振り回して知らせてあげてください。
倒れている・うずくまっている・泣いている、小さい子供ほど、怪我をした「かもしれない」で構いません。
その時には、周りの親も「レフ!」(レフリー)と、主審を大声で呼んでくれていると思います。
親の役目はあくまでボランティア、お手伝い役なので、ルールに沿わなくても全然良いと思います。
観客整理役
もう1つ当番制になることがあるのが、観客整理役。
クラブによっては、試合の時にピッチの真横で観戦して良い場合と、少し離れた場所で観戦する場合があります。
観戦する人が入ってはいけないエリアに入らないように、また時々とんでもないマナー・ヤジを飛ばす親、いきなりピッチに入り込んでくる親もいて、そういった人を管理する役割です。
よくあるのが、真横で観戦してはいけないケースで、そういった場合は、観戦できる場所へ案内をします。
目に余る行動をとる親は、最悪の場合、退場してもらうことになるわけですが、そのあたりはケースバイケース、一人で対応せずに周りの協力を頼んで、うまく立ち回るほうが無難です。
主審には、観客を退場させる権限があります。
チームマネージャー
必ずチームには、チームマネージャーが必要になります。
役割としては、親や選手、コーチ・クラブ間の連絡役ですが、スムーズに進めるための何でも屋さんという立場です。
練習予定や試合予定の連絡、試合日の選手の人数確保(足りない場合は他のチームから応援を頼む)、コーチが休んだ場合の代わりのコーチ探しもしくは練習を休みにするか、試合後の記録用紙の管理、審判費用の支払い、だれも手伝ってくれない場合は、ピッチの設営から片付けまで。
役割が決まっていることもありますが、やりだすと際限無く任されてしまいます。
連絡や段取りなどがうまくいかないと、文句を言う親もいたりで、手間のかかる役割なので、クラブによっては、子供のシーズンの費用を割り引いているところもあるくらいです。
コーチ・アシスタントコーチ
サッカー経験者なら、コーチもしくはアシスタントコーチにもなれます。
親がコーチを務めているクラブは多く、コーチになると、子供のシーズン費用がほぼ無料もしくは無料にしているクラブが多くあります。
結構大変な仕事ですが、やってみたい方はクラブに尋ねてみてください。
試合中の故意による事故や怪我
選手の年齢が上がると、故意による危険な事故や怪我も発生することがあります。
明らかに狙っての反則や殴打などで、その場でクレームを入れることができる場合、しにくい場合もあるかと思います。
審判がカードを出して対応する時もあれば、親が審判をしていたり、審判が見えない場所で起こった場合など、何も処罰されずに試合が進行することもあります。
怪我をした場合は当然ですが、怪我をしないまでも非常に危険だと思われるケースは、しっかり記録を取っておいて、所属クラブに報告をして、クラブから苦情・報告を入れてもらいます。
シーズン中の移籍
チームやコーチに馴染まない、希望しているポジションでない、親の目から見て移籍させたくなるケースもあるかもしれません。
子供も移籍することに積極的であれば、移籍するのも1つの手かもしれません。
実際にシーズン途中で移籍してくる子供も、少ないながらいます。
ただシーズン途中の移籍となると、どこのクラブもチームは出来上がっていますし、クラブによってはすでに満員で入れない、空いているクラブがあっても、レベルに関係なく、空いているところに入るという形になります。
上手い子供が低いレベルのチームに入るのは、あまり楽しくないことかもしれませんが、逆に自信を付けるという意味では、良い方向に働くこともあります。
途中で辞めても返金はしてもらえないので、そのあたりも考慮して、あとは運とめぐり合わせです。
退団処分
Football Victoriaからもシーズン開始時・シーズン中にも通達がありますが、入団時の規則に強制退団について記載されているかと思います。
練習に行かない等で辞めさせられることはないはずです。
ただ選手がいじめ・暴力や故意の危険な反則をたびたび犯す、親のとんでもない観戦態度や言葉遣いなどは、クラブの退団処罰対象になることがあります。
試合中にピッチに飛び込んで文句を言う親、相手の選手に脅迫じみた言葉を使うような親など、子供ではなく、親が退団原因になることもあります。
来シーズンからU14の場合は要注意!
今季U13でプレーしていて、来季からU14へ進む場合は、NPLではなく「コミュニティ」でもクラブに残れない場合があるので要注意。
U13の場合、公式試合既定の最低ピッチサイズは通常の半分・半面ですが、U14からフルピッチ(全面使用)・ボールも大人用の5号球になります。
そのため、どのクラブもピッチの全面使用となると、用意できる会場・時間が限られてしまうため、コミュニティに割り当てられるチーム数も、NPL1チーム・コミュニティ2チームまでに限られてきます。
例えば所属クラブに、コミュニティのU13チームが4チームあった場合、来季U14では2チームしか作れないため、2チーム分は選手が溢れてしまう形になります。
どのクラブでも上限2チーム程度ですので、今の所属クラブが今季U14に何チームあったのかを確認しておいて、そのチーム数になった時に、自分の子供はそこに残れるのか?
上手な選手であればNPLに進むという手が一つですが、もしコミュニティの中でも、上位2チーム分の中に入れないレベルかもしれないと思われる場合は、早めに他のクラブのトライアウトを探しておく、準備はしておくことをお勧めします。
基本的には、クラブ自体は、長く残ってくれている選手を残す傾向にありますが、プレーする選手数が増加している中、練習・試合会場は増えていないため、どうしても残れない選手も出てきます。
辞める時がいつかはくる
子供が小さな時は、楽しく続けていても、年齢が上がっていくと、本人のやる気や周りの環境も変わり、続けることが難しくなっていきます。
一つの節目は13歳頃、High School(中学)入学以降で、学校の宿題が増える・他のことに興味が出る・友達との遊び時間を優先するといったことで、サッカーから距離を置く子供が増えていきます。
サッカー自体を楽しめているようなら、一般のクラブからは離れ、練習日が少なく、費用もあまりかからない教会主催のクラブを選ぶというのも1つの手です。
選手の親の話を聞いていると、次はU16くらいの年齢で離れる方が非常に多いようです。