メルボルンBox Hill United FC・土居明日香選手のインタビュー
メルボルンBox Hill United FC・土居明日香選手のインタビュー
メルボルンの女子サッカーリーグ、NPL (National Premier League) WomenのBox Hill United FCで活躍している土居明日香選手。
ワーキングホリデービザの延長のため、ファームで働くために滞在したタスマニアが大好きになり、永住を考えるほどになったタスマニア推し。
とても誠実で楽しく、びっくりするほどインタビューの記事も長くなりました。
移籍する理由は様々ですが、土居選手のような移籍のきっかけ、サッカーや仕事まで楽しんでいる姿は、ぜひ参考にしてほしいところです。
オーストラリア・メルボルンでのサッカーについて
メルボルンでのサッカーは楽しい?
今年は「まだ」楽しいですね(笑)
去年は、意思疎通ができないってのがあったんですけど、監督とも意思疎通ができていなくて。
最後のほうに監督が思っていることが、だんだんとわかってきて、それならこれでいいじゃんみたいな。
監督的には、勝つのも大事だけど、監督のイメージしているサッカーをしたいと。
ただ自分の中では、最初のほうは「勝つこと」に重きを置いてて、だからなんだかマッチしなくて。
すごいこっちはこっちでストレス溜まってて、自分は外国人選手だし「勝ちにいかなきゃいけないけど」、監督は「なんでなんで?」っていうのが多くて。
変わったタイミングは?
最後のほうになって、そういう感じねって(わかりました)。
監督が求めていることがわかってきて、それならもっと違うやり方があったっていうのがわかって、今年はまだ楽しめてる感じですね。
どっちかというと、自分は監督のやり方に沿った方が絶対いいじゃないですか。
監督のやりたいサッカーって楽しいんで、繋いで繋いで崩してみたいな。
それができれば、うまく行ったときは楽しい。
今年はそれがちょっとわかって、楽しめているかなって。
ただ監督のやりたいことに、チームがまだマッチしていなくて。
監督は下から繋いでいきたいんですけど。
自分自身が変わったことは?
やっとこの身長を生かせるようになってきました。
日本に居た時は、「なんで?デカいのに?」っていうプレーだったんですよ。
コーチにも、「体を生かしてプレーしろ」とか言われてたんですけど。
元々ヘディングとか好きではなくて、日本に居る時はちょこちょこヘディングの練習もしてたんですけど、やっと生かせるようになってきたっていうか。
今年のチームはどうですか?
去年からいた選手が3人しかいなくなって、全部チームメイトがいなくなって。
今、ほとんど新しいチームなんですよ。
Aリーグにも何人か行って、他のチームに行ったり。
また1からチームを作り直しているみたいな感じです。
楽しくやれてるから、すごく今はいいです。
特に今年は、前線の選手ともコミュニケーションが上手く取れてて、やりたいこともなんとなくわかって。
戦術やプレースタイルは?
自分、あんまりサッカー知らないんで(笑)
ホントただ感覚でプレーするだけなんですよ。
その中に入って、そこじゃん!みたいな。
ボードとかで説明してとか全然できないんですけど、そこに入ってそこに行くとか、本当に入った時にしか。
やりたいこと、監督がやりたいことはなんとなく感じられるんですけど。
日本で、ボードで言われても、うーん?みたいな。
(あんまり細かい戦術がないので)自分はこっちに合ってる感じですね。
うちの監督がやりたいサッカーがあって、楽しくやれてる部分がある。
他のチームと対戦して感じることは?
狙って(ロングで)ボーンっと蹴るとかだったらいいんですけど、あんまり上手くないチームだと、本当に何も考えずにボーンって蹴ったり。
それがボーン、ボーン、ボーンみたいに続くことが多いんでオーストラリア(メルボルン)は。
そうなると中盤の子とかは居る意味がなくなるんで、シャトラン・シャトランみたいに。
そうなるとつまんないかもしれないですけど。
NPLと下のリーグと大きな違いは感じますか?
NPLはまだ「繋ごう」としてる。
出来なくなると「蹴る」みたいな。
ただそんなに変わらないです。
繋ぐより蹴ったほうが勝てるみたいな。
ヤジとかある?(男子の試合はかなりひどいので)
女子もたまに乱闘っぽいのありますね、みんながちょこちょこって集まって。
ヤジもあると思います、でもそんなに。
自分があんまり聞いてない、周りの声をあんまり聴いてなくて。
何を言ってるかよくわからないから、ヤジとか何を言ってるかわからないので、それはラッキーって。
叫ぶ熱血な監督さんもいますが?
ウチの監督も結構言うって。
明日香ーって呼ばれて、監督が「$@%^?!」って何かを叫んでるけど、私は(わかったフリをして)「OK!」って返して。
Asuka~!しか聞こえないから(笑)
ちゃんとプレーしとけば(大丈夫)。
契約条件やチームはどうですか?
もらえる金額は人によって違うので、でも日本に居た時と変わらないくらいだと思います。
選手によっては、住む場所や車が提供されていたりとかは聞くんですけど。
ただ男子ほどもらえるっていうのは、聞いたことは無いです。
だから働きながらですよね。
同じチームで2シーズン目なんですが、周りの人(監督・チーム)が良いから、このままでいいかなって。
日本に居る時に、あんまり試合に出ていなかったので。
こっち来て、試合に絶対に出たいっていうのがあって。
だから上に挑戦するっていうより、絶対に(試合に)出れるところで。
怪我はないですか?
大きい怪我はないですけど、日本での3か月っていうのが一番長いですかね。
日本で腰のヘルニアになりかけてて、もう少しでヘルニアが出るよっていうので(笑)
(体が)でかいのもあって、圧がかかりやすい?
オーストラリアでは、去年、後ろから肘が入って、クラっとなって。
1週間くらいは何もしないようにしてたんですけど。
日本と比べると
メルボルンのサッカーのレベルは?
日本のほうがレベルは高いですね。
レベルっていうか、技術レベルは日本のほうが高いです。
一人一人の技術は、日本のほうが高いですけど。
フィジカルはオーストラリア?
なんかこうデカいっていうか、ゴツイ。
小っちゃくても、ギュって(体の中が詰まった感じ)がしてるんで。
日本だったら、ボーンってやったら、ぴょーんって飛んでいく感じなんですけど。
どっこいどっこいになる感じ、これを耐えられるんかー!?って。
本当に(体が)ギューってしてる。
元々の筋肉的な、体・遺伝子的な作りが違う?
自分はまだ体がデカいからいいですけど、ちっちゃくて細めの子とかは、当たらないようにプレーしてたりはしますね。
特徴を挙げるとしたら?
日本だったら、ここに出さないだろうみたいなところに出してくるから逆に(笑)
それ伸びるんか?それ取れるんか!(身体能力の違い)
それは面白い、やってて。
そこは出る、ライン切るだろうっていうのでも、追いついたりとかあるから。
めっちゃ面白い!それも含めてオーストラリアが好き(笑)
これが下手
こっちの人って、落下地点読むのが下手で、ヘディングとかできないですよ、特に女子。
日本だったら、ヘディングとかで被るとめちゃ怒られるんですよ。
「お前ちゃんとやれよ!」っていう感じになるのに、でもこっちだとスカスカっ、スカスカいくんですよ。
多分選手がやりたくないのもあるし、読めない、ヘディングしようとしてるのに、なんでそこに立ってるの?みたいなところに立ってたりするから。
練習しないとそんなのできないじゃないですか、落下地点の読み?空間認知があんまりできなかったりするのかなって。
日本とはココが違うと感じるところ?
日本の国柄だと思うんですけど、日本って1つのことに集中みたいなのがあるじゃないですか。
こっちは「祝日だから今日練習行かない」っていうのが普通にあるじゃないですか?
日本だと練習に行くのが当たり前になってるけど、こっちはそれがないから。
(こっちの学生だと、週2~3回の練習と週末1日だけ試合が普通)
日本だったら、平日週2日だったとしても週末両日あるし、平日週4日でやって週末両日は試合とかで週に1日だけ休んでとか。
毎日ボールを触ってる時間が違うから、技術とか空間認知とかには違いが出るはずですよね。
チーム・選手との付き合い
今のチームとの関係性がわかるエピソード
連休の時に、月曜日の練習が休みかな?と思ったんですけど、練習があるらしくて。
監督に「私、水曜日までちょっと予定があるんですけど、月曜日の練習ある?」って聞いたら、「No Worries(休んでも問題ない)」って。
そんなところは大きな違いかな。
今年も本当は11月くらいからシーズン前の練習始まってたんですけど、2月からの合流でいいやって(笑)
お金を稼いだり、ぎりぎりまで働いたほうがビザも取れるんで、とりあえず2月から入るねーって。
(今年プレーするチームに)去年から居たからってのが大きいですね、伝えやすいし。
他の選手で、もっと遅くに合流する人もいるので。
去年の場合は、1月の最初から入って。
でも絶対そこから始めなくてもよかった(笑)
がっつり練習に入った感じじゃなかったので、もう1人居た日本人の子は2月から入ってきたので。
そっからでよかったじゃんって。
今年はタスマニアで2月まで稼いで、2月からやれば、1か月半あるから、そんだけあればいいでしょって(笑)
チームメイトと遊びに行ったりは?
たまに行ったりします。
自分のチームって、年代的に若くて、みんな彼氏がいるんですよ。
絶対お邪魔できないじゃないですか、そんなところ。
ちょっと遠慮しちゃいます。
みんな(彼氏が)、みんないるから。
日本の女子サッカーなんかは、「彼氏できたのー!?」みたいな、男子と全然関わりが無い・時間が無いし、ほとんどサッカーしかしてないし。
社会人になった時ほど、週6日でサッカーして、サッカー無い日は仕事してって感じなんで。
他のワーホリの子とかは同じような感じなんですけど、現地の子はみんな彼氏がいるから。
なんか、みんな余裕がありますね。
日本は「彼氏なんか作って・浮かれちゃって」みたいな感じの雰囲気はあるんです、向こうだったら。
もっとサッカーに集中したほうがいいんじゃないみたいな、それも全然違いますね。
日本人の選手と付き合いはありますか?
Box Hillって、ちょっとシティから離れているので。(日本人はシティ近郊に住む人が多い)
たまに連絡取ったりすることはあるけど、全然連絡取ってないです(笑)
自分的にも英語をしゃべりたいっていうのもあって、英語環境にあればもっといいなって。
メルボルンに自分の高校出身の選手が3人いて、去年は4人いたんですけど。
同じリーグの選手の子とは、時々連絡を取っていて、この前もごはん行ってきました。
オーストラリアに来ることになった経緯
なぜオーストラリアに来ようと?
もともとパイロットになりたくて(笑)
パイロットになるには英語が必要だなーと思って、じゃあ海外に行くのが一番手っ取り早いかなと思って。
サッカーをしているうちに、海外に行ったほうがいいかなと。
メルボルンに来る1年前に、スウェーデンのチームが探しているよという話があって、動画を送ったりしたんですけど、だけどそっちがダメで。
そのまま日本で1年間続けて、1年後に今度はオーストラリアのチームが募集してるよって情報が入って。
また動画を送って、そしたら今度はほんとに1週間くらいでポーンって決まって。
メルボルンを選んだ理由は?
エージェントには、ゴールドコーストとか暖かいところがいいですって言ったんです。
最初「どこに行きたいですか?」って聞かれて、オーストラリアであったかい地域に行きたいって言ったらBox Hillになった、普通に寒いです(笑)
(利用したのがメルボルンのエージェントだったので、メルボルンの「どこのチーム」という意味だったのかも)
どうやって情報を得ましたか?
スウェーデンには友達がいて、オーストラリアは友達の友達にどんな感じですか?って話を聞いて。
そしたら上手く繋がったみたいな感じですね。
エージェントは使いましたか?
1年目はエージェントを使いました。
やっぱり1年目って、チームを見つけるのとか大変じゃないですか。
1年目だったら何も知らないし。
あと家とかも、一番最初の家とか大変だから。
最初に住んだところは、シティのど真ん中の、めっちゃ高いところだったんです。
サザンクロスの目の前の、自分のオウンルームで、めっちゃ高ーと思ったんですけど。
1か月ほどそこに住んで、自分で(練習場に近い)Box Hill近くで探しました。
エージェントは使って良かったですか?
家を見つけてもらって、チームを見つけてもらってって感じですね。
最初は本当に何も知らない状態だったんで、空港にお迎えに来てもらって、それは助かりましたね。
携帯電話を契約してもらって、そのまま家まで連れていってもらって。
それはやってもらえて嬉しかったですね、最初は全然英語もしゃべれないし。
チームも日本に居る時に、動画を送っただけで決まったんで。
日本に居たら何も情報がないじゃないですか。
やっぱり自分は1年目は使って良かったなと思ってます。
今シーズンもエージェントを使いましたか?
今のチーム(1年目にプレーした)から、シーズン中に「来シーズンも来て」と誘われていたので、じゃあ使わなくていいかなと。
移籍したいとか、もっと良い条件のチームに行きたいとかになったら、使うのかもしれないですけど。
英語や生活について
メルボルンはどうですか?
メルボルンはそんなに寒くないので、日本に比べると、まだそんなに「うっわ寒っ!」ってなるほどでもなくて。
ただ冬が長くて、夏が無い!(笑)
寒暖差がありすぎですよね、真夏でも絶対長袖が手放せない。
寒いの苦手なんで。
外が暑くても、バスの中とかめちゃくちゃ寒くて、どんだけクーラー利かせるんだろうみたいな。
(外人は冬でも半袖・短パンで歩いてますよね)<記者>
いや、オカシイやろ?って(笑)
英語には慣れましたか?
コーヒーを頼むときは、最悪「フラットホワイト」とか言っとけば、いければいけるし、ちょっとづつは話せるようにはなっていくし。
2年目でタスマニアから戻ってきたときに、チームメイトに「まだよくなったよね、上手くなったじゃん」って。
(ファームで働くために滞在した)タスマニアの英語って癖が強くて、G’Day Mate!とか田舎のしゃべり方で。
こっち(メルボルン)に来て、すごい聞き取りやすくなりました。
向こうでワーホリの子とかとしゃべってて、その子たちもボキャブラリーが少ないから、わかりやすい単語で話してたから。
まだわかりやすくて、一つのステップとして、それは良かったかもしれない。
自分はサッカーしかしてこなかったんで、高校もサッカーの推薦で行ったし、大学もサッカーの推薦で行ったしみたいな。
英語に限らず、全ての教科で勉強してこなかったから。
今、一緒に住んでる人がずっと英語だし、チームメイトは英語だし。
住むのも日本人と住むっていうより、他の国の人と住みたいんですよね。
英語でもどかしく感じた時は?
この前どうやったら、女子サッカーを盛り上げられるかみたいな話を、今住まわせてもらっている家族がしてたんですよ。
自分も大学で勉強していた分野、スポーツ科学部だったんで、ちょっと勉強してはいたんですけど、それを英語にできないから伝えられなくて。
英語で話していることも、内容の英語がわからないから。
単語が専門的なのになってくると、本当に全然わからない。
トピックさえわかっていれば、なんとなくわかるんですけど。
何の話をしているのかわからない状態から聞いていても、うーん?ってなって。
語学学校には通っていますか?
まだ行ってないですね。
学校行くのが、英語には絶対いいんですけど。
サッカーやってて、お金も稼がないといけないんで。
目的がちゃんと「英語勉強したい」とかあったらいいんですけど、ビザのためとかに学校に行くのは絶対イヤだなと思ってて。
大事なのは大事だと思います。
ただ永住権を取るとなったら、IELTSとか必要じゃないですか。
そうなったら、どっかでちゃんと勉強しないといけないですけど。
永住権を取るのは、メルボルンとかは難しいですよね。
友達がアデレードでAged Care(高齢者介護)やってます。そっちで永住権を狙ってる子とかはいます。
自分も京都で働いてた時に介護系で働いてたのと、教員免許も持ってるんですよ、それもうまく使えたらいいかなって。
ただ資格を活かそうとなったら、それも学校行かないといけないんで。
日本人で得をしたことはある?
日本人は得してます、日本人で良かったことはめっちゃあります。
日本人ってだけで優しい。
友達のインドネシア人とか、英語のテストに受からないとワーホリのビザも取れないとか。
ビザを2年目に切り替えるのに、インドネシア人だと、また健康診断とか必要になったり。
自分の場合は、銀行の残高証明とか作ってなくて、残高のスクリーンショットでそれだけで通ったのに。
その友達は2か月くらいかかってて、私は3週間で通ったので。
日本人っていうだけで、信頼感がありますよね。
ホームシックにはなりませんか?
こっち来てから、日本には帰ってないです。
日本に帰るのがもったいない。
ワーホリって結局居られるのって、延長を続けても3年じゃないですか。
その間に戻っちゃうと、その期間がもったいないって。
自分がラッキーだったのは、日本の免許がもうゴールド免許で、5年間有効なんですよ。
だから免許の更新のために日本に帰らなくて良かったから。
(日本に帰りたい?)<記者>
お寿司が美味しい、温泉は入れるかなって。
次のシーズンオフに、友達と日本に旅行しに「行きます」。
3週間くらい旅行して。
親にも永住したいって言ってて、びっくりはしてました。
話しを聞くと(日本は)もういいかなって、自分はこっちのほうがいいかなって。
日本も悪くはないんですけどね、安全だし。
危険なことに遭ったことはありますか?
いや全然ないです。
逆に何かありました?(逆に質問を受ける)
(いや20年近くこれといって無いですね)<記者>
保険には入っていますか?
一応入ってるんですけど、自分で申請しないといけないやつで。
仕事のお話し
仕事はどうやって見つけましたか?
仕事はインスタで繋がった人が紹介してくれて、最初はそのコネで入って。
タスマニアの仕事はFacebookで見つけたし、オーストラリアに来てから、Facebookをより使うようになりました。
去年とかは本当にお金がなくて。
まだサッカーのお金があったから、全然良かったんですけど。
(全然足りなくないですか?)<記者>
日本からお金持ってきたんで、それでギリギリ。
カフェともう1つ焼肉屋さんで働いてて、ただカフェの仕事のシフトに全然入れてもらえなくて。
ワーホリの延長はどうやって?
初回の延長は、タスマニアのミートファクトリーに行きました。
メルボルンは、シティからかなり離れたエリアのファームが対象で、市街地のメルボルンというエリアは対象外。
郊外「ビクトリア」といった範囲でないと対象にならないんです。
(南オーストラリア州の)アデレードは基本的に、全域がワーホリ延長の対象になっていて。
自分と同じ高校出身の子がアデレードに居て、すごく楽しそうにしています。
その子はアワビ工場で働きながら、サッカーをして、ビザの心配もなくお金の心配もなく、絶対そのほうがいいなって。
2度目のワーホリ延長に向けて(3年目)
3回目のワーホリビザ取得のために、Pakenhamにあるファームに行かないといけないので、メルボルンで車も買いました。
Box HillとPakenham(Box Hillから車で40分から1時間前後)の間に引っ越します、というよりPakenham寄りの方に。
サッカーの練習は週3日しかないんですけど、仕事は毎日あるから、週7日、Box HillからPakenhamに通うより絶対いいかなと。
Pakenhamのほうが家賃とかも安いから。
今Marketplaceとかで探してて、向こう(Pakenham)、今開発してるっぽくて。
一回インスペクション(家の下見)に行って、家がめちゃくちゃ綺麗でオウンルームで、そんなに高くないからいいかなって。
これから行くファームはどんな仕事ですか?
2月の下旬ぐらいに話を聞きに行ってきて。
仕事は「卵」なんで、多分、卵をずっと手作業でパック詰めするんじゃないかなと。
卵がベルトコンベアでずっと流れてきて、それを延々と2人でやるらしくて、しゃべりながらやったらいいかなと。
だから本当は友達とやりたいんですけどね。
自分の友達でいっぱいにしたい(笑)
Box Hillに男子の選手もいるんですけど、紹介して欲しいって、情報は送ったんですけど。
給料イイんですよ、めっちゃ。
ファームで働いたら、絶対車買えるぐらいにはなるんで。
(1度目の延長で行った)タスマニアのミートファクトリーも、天気とか関係無かったんで。
このファームで働いたら、8時間コンスタントに毎日毎日入れるんで。
カフェで働いている時は、最低賃金よりちょっと下ぐらいで、全然お金稼げなかったんですよ。
ファームはカジュアルレートで(非正規は時給が高い)、卵は毎日産まれるんで週7日で働けて、日曜日も入れるんだったら入っていいって言われてます。
日曜日は時給が2倍に近いぐらいだし、祝日だったら2倍になるし。
メルボルンに来て、困ったことを教えてください
ぶっちゃけて困ったことはあった?
メルボルンにいる友達が結構助けてくれてたんで。
Box Hillのシェアメイトが日本人だったんですよ、シティのシェアメイトも日本人でワーホリで来てた子で。
日本からの荷物の盗難?
日本から荷物を送ってもらったんですけど、仕事で家に居なくて。
電話がかかってきたんですけど、「今荷物を届けに来てるけどいないの?」って。
「今仕事中だから6時に来て」って伝えました。
まだ英語もあんまりできないし、なんとなくわかるけど、その人もOKって言ったけど、6時になっても配達は全然来ないし。
それでなんかメールがきて「荷物を置きました」って、でも家の前に無いし、盗まれたかもしれないってなって。
エージェントの人に連絡をして、もちろんエージェントの仕事ではないんですけど。
色々運送会社とかに連絡してもらって、最終的に置いたのが、「運送会社のオフィスに置いたよ」みたいな連絡で。
それで近くの、運送会社のオフィスまでバスで取りに行ったんですけど。
荷物がめちゃくちゃ大きいやつなんですよ。(抱えきれないくらいのサイズ)
結局、こうやって肩に担いで、でもめっちゃ重たかったです、多分20キロちょいぐらいあって。
群馬でサッカーしてた時に、建設系の仕事してたんで、肩に担いで家まで(バスと歩いて)持って帰りました。
住まいのトラブル
Box Hillに住んでた時に、大家さんとトラブルになって。
その人1か月くらい旅行に行ってたんですよ。
その間、自分が一人でその家に住んでたんですけど、その人が帰ってきたときに、貴方よりもっと家賃を払ってくれるっていう人から連絡が来てるんだよねーって。
そういう風に言われて、へーってなったんですけど。
自分が普通にピーマンとか玉ねぎとか、常温で保存しておいたんですけど、その人が「あり得ない!」みたいになって。
サッカーの練習をするんで、週2回は洗濯するよって言ってて、大家さんも「OK」って言ってたんですけど、「電気代が高くなった!」とかいちゃもんをつけてきて。
それはもうほんと、いろんなことに関して、ご飯作るのが長いとか・・・
「出て行って欲しいですか?」って言ったら、「出て行って欲しい」って。
(完全にいやがらせですよね?)<記者>
だから、それで家を出ました。
とりあえず友達に連絡して、今こうこうで出て行きたいから、今そこに住める?って聞いたら、全然住めるよって。
2・3日で引っ越しました。
でも引っ越すまでの2・3日は、もうほんとムカつく・ムカつくってなって。
高速道路で車が壊れる
結構良い車で綺麗だったんですが、2000年くらいのもので、走行距離が20万kmくらいいってました。
その車で、12月31日~1月1日にタスマニアのホバートに遊びに行ってたんですよ、タスマニアのロンセストンに住んでるときに。
帰ってくるときに、ちょっとギアを変えたら動かなくなって。
ギアを動かした時に、ボーンってなって。
あ、ヤバい!
路肩に止まって、しかもハイウェイだったんですよ。
それでヤバいヤバいってなって、友達4人だったんですよ。
1人が英語堪能な子だったから、その子に色々と連絡してもらって、でも祝日だったんで色々高いんですよ、レッカー代とかもめちゃくちゃ高くて。
しかも結局車も治らないし。
最初は修理できるっていう話で、修理代も200ドルだったんですよ。
(それは安いです!)<記者>
全然治ったよーみたいな感じになったんですけど、その英語のできる子が車を取りに行ってくれたんですよ。
自分はもうメルボルンに戻っていたので。
その子がちょっと乗ってたんですよ、そしたらまた壊れたみたいになって。
そしたら今度はオイルも漏れてるって、結局廃車になるんですけど、ディーラーが1000ドルで買い取ってくれるっていうんで。
1月1日っていう最高の年明けでしたね(苦笑)
でもその友達が居たからよかったけど。
次にメルボルンで買った車が、めっちゃ良い車なんで。
今回はちゃんとしたのを買おうと思って、もう1回目で凝りて(笑)
メルボルン移籍、勧めますか?
他の選手にメルボルンのサッカー留学は勧める?
人によるんですけど、本当にサッカーを集中してやりたいんだったら勧めないです。
緩いですよね、サッカー的には。もっとサッカーをしたいって来るんだったら。
NPLが自分の感覚では、関東リーグのレベルのサッカー。
(日本は)関東リーグでやってても、サッカーにフォーカスしてるっていうか、サッカー・サッカーサッカーって感じなんですよ。
だけどこっちだと、それこそ色々、練習も週3日しかないし、土日もどっちかが試合日でもう1日はオフだし。
物足りなさがある
物足りないんですよね絶対、サッカーをしたい人からしたら。
自分も最初来たときは、自分ですら緩いと思ったから。
今はこれでめっちゃイイんですけど(笑)
日本はサッカーの拘束時間が長いですが、こっちは短いですね。
例えばこっちだったら、怪我とかしてて、自分のリハビリメニューが終わりましたってなったら、速攻ポーンって帰るんです。
日本だったら、みんなが終わるのを全部待って、みんなで最後、はい今日終わります、ありがとうございましたって帰るんですけど。
こっちは、「じゃあ帰るね」って感じで帰っていくから(笑)
(ここに慣れたらもう日本に帰れないですね?)<記者>
そうなんですよ(笑)
絶対物足りないとは思います。
これから移籍を考えている人に
日本人選手はチームを見つけやすい?
日本人のまじめな感じとか一生懸命頑張る感じとか、技術があるとか。
こっちの人ではあんまりいないんで。
今はまだ、日本から来れる、来たければ全然来れると思います。
チーム探しをする時期が大切
自分は時期が良かったんですよ、10月くらいで、そこでエージェントを使って動画とかを送れたんで。
もうそろそろ日本でリーグが終わりそうだな、そろそろ次の事考えなきゃなーって時に、じゃあ海外行きたいなって思ってて。
友達がこんなのあるよって紹介してくれて。
今はメルボルンでプレーしている日本人の選手と、1年前に連絡を取っていたんですよ。
もっと上のレベル、VPLからでもどんどんステップアップしてAリーグでやりたいみたいなことを言ってたんですけど。
連絡をくれたのが2月くらいで、ちょうどその選手が来る時には、移籍期間が終わっていて。
でも結構みんなそのくらいの時期に連絡してくる。
(シーズン開始前なので編成もほぼ終わってますよね)<記者>
(編成が終わった後だと)ちょっとレベルが下がったりするじゃないですか。
なんで今なのかなー?って思うんですよね。
日本で移籍するにしても、結局同じ時期なんですよ。
どうせこっちでちょっとぬるい環境でやるんだったら、日本でやって、移籍期間がオープンな時に来たほうがいいって感じで言ってたんですけど。
絶対、日本のほうがサッカーを突き詰める、もっと上達したいとか、レベルを高く保持したいとかだったら日本のほうがいいんで。
上のリーグに上がるには
最初はNPLでやってですよね。
知り合いの選手が去年NPLでやってて、Aリーグに上がったので。
日本のWEリーグくらいでやっていれば、入りやすいかもしれない。
その下のリーグでやっていたら、すぐには入れないかなーとは思います。
Aリーグがそんなに、レベル高くない気がするんですよね。
見てないからわかんないんですけど(笑)
自分ももしかしたら、本気でやっていたら、行けるかも・行けたかもしれないですけど。
NPLでやってる日本人選手だったら、(実力的に)Aリーグに行けるかもしれない、試合に出れるかどうかは別ですけど、チームに所属することはできるんじゃないかなと。
子供の頃から現在に至るまで
どのくらいサッカーを続けていますか?
5歳くらいから、もう二十何年。
やめようと思ったりしたことはないですか?
うーん、なんかほんともう、辞め時を失っている感じがあります。
サッカーはまだ楽しいですか?
いや波はあります(笑)
あー、もういいやって思う時もありますし、自分は自分の調子が良いと楽しいけど。
人によると思うんですけど、友達とかは練習も楽しくて、ワクワクしてしょうがないみたいな人もいるし。
ほんと調子が良いときは楽しくやれるんですけど、調子悪くなってくると、あーもう練習行きたくないなってなるタイプなんで(笑)
子供の時はちゃんと練習に行っていましたか?
行ってましたね、行きたくては行ってましたけど、自分の性格的にも結構続けるタイプで、やるってなったらやる。
行きたいとかではないけど、行かなきゃなーみたいな。
ほんとにやりたいやりたい、やりたいって感じではなかったです、ずっと。
幼稚園でサッカーを始めて、幼稚園にサッカークラブがあったんですよ。
自分は愛媛で生まれて、5歳ぐらいの時に茨城に引っ越して。
ウチの父親がサッカーやってたんで、その幼稚園にサッカークラブあるよって聞いて、多分そこにわざわざ入れた(笑)
自分もスポーツ好きだし、やりたい、やるやるってなって、そのまま続けて、サッカークラブが小学校にもあったんで。
女子でやってる人はあまりいなかった?
最初は女の子もいたんですけど、小学校3年生ぐらいになったらみんないなくなって。
体ももともとデカかったし、そんなに負けてなかったから、だからずっと続いてて、4年生くらいになったら普通に試合に出れてたから。
体に恵まれていた部分はありますね。
中学校入っても、男子と一緒に部活やってたんですよ。
(中学の頃も女子はいなかった?)<記者>
そうですね、今から10年前で。
2011年のワールドカップで女子が優勝したあたりから、どんどん日本の女子サッカーが、ちょっとブームになって盛り上がって。
それまでは全然で、女の子でサッカーやってるの?みたいな。
その後は
高校の時に、宮城の県外のチームに行って。
そこが結構強いチームだったんで、そのままサッカーを使って、大学とクラブチームと入って。
でも4年目のシーズンで、クラブチームには切られて、大学のサッカー部に1年間だけ入って。
そのあとに京都のクラブチームに行って、でもそこのクラブが、ちょうどコロナの時期で運営がうまくいかなくて。
群馬のチームに吸収合併されたんで、行く人は行っていいよ、お金も出すしってことで。
実家も近くなるのでそこで2年間やって、メルボルンに来ました。
土居明日香 / Asuka Doi
常盤木学園高校、早稲田大学出身。
なでしこリーグのバニーズ京都SC・バニーズ群馬FCホワイトスターを経て、オーストラリアのメルボルンへ。
2023年のシーズンから、メルボルンの女子NPLリーグ、Box Hill United FCでプレーし2024年も同チームでプレー。